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介護に優しい間取りの作り方!安全で安心な住まいに変えるリフォームポイント

介護に優しい間取りの作り方!安全で安心な住まいに変えるリフォームポイント

家族の身体の変化は、住まいのあり方を改めて考えるきっかけとなります。
これまで当たり前だった日常が、少しずつ工夫を必要とする場面へと変わっていく中で、住み慣れた家でできるだけ長く、そして安心して快適に過ごせる環境を整えたいと願うのは、ご本人にとってもご家族にとっても共通の願いでしょう。
そのためには、介護が必要になったご家族が、日々の生活を安全かつ穏やかに送れるような空間づくりが不可欠です。
今回は、介護に適した部屋選びの具体的なポイントから、既存の間取りをより暮らしやすくするための実践的な改善策までを詳しく解説していきます。

介護が必要な家族のための部屋選びのポイント

トイレへのアクセスを確認

介護が必要な方が安心して日常生活を送る上で、トイレへのアクセスは部屋選びにおける最優先事項の一つです。
特に夜間や緊急時、あるいは頻繁にトイレを利用する必要がある場合、ベッドからトイレまでの距離や移動経路の安全性は極めて重要になります。
部屋を選ぶ際には、まずトイレまでの距離が短く、移動経路に段差や障害物がないかを確認することが肝心です。
廊下は十分な幅があり、車椅子での移動や介助者が付き添って歩く際にも無理がないか、床材は滑りにくい素材かどうかもチェックポイントとなります。
さらに、ドアの開閉がスムーズに行えるか、室内や廊下に十分な明るさを確保できるか、そして万が一の際にすぐに助けを求められるような配置になっているかも考慮に入れるべきでしょう。

家族の気配を感じられる配置

介護が必要なご家族が安心して過ごすためには、身体的な快適さだけでなく、精神的な安心感も非常に重要です。
その安心感を得るためには、家族の気配を適度に感じられる部屋を選ぶことが効果的です。
例えば、リビングや家族が集まる中心的な空間から極端に離れた場所ではなく、ある程度の距離感を保ちつつも、声や気配が伝わるような位置にある部屋が望ましいでしょう。
これにより、ご本人は孤立感を感じにくくなり、ご家族も必要に応じてすぐに様子を確認できるため、見守りの観点からも安心感が高まります。
ただし、プライバシーも尊重する必要があるため、完全にオープンにするのではなく、ドアを開けておく、窓の位置を工夫するなどのバランスの取れた配置を検討することが大切です。

将来的な介助スペースを考慮した広さを確保

部屋選びにおいては、現在の身体状況だけでなく、将来的に身体機能が変化していく可能性も考慮し、ある程度の広さを確保しておくことが賢明です。
特に、ベッドからの移乗や、車椅子への乗り換え、あるいは介助者が身体に触れてサポートを行う際に必要なスペースは、想像以上に広くとられることがあります。
例えば、ベッドの脇に介助者が立ち、安全に体を支えながら移乗させるためには、最低でもベッドの横幅+60cm程度の通路幅が確保されていると理想的です。
また、部屋の出入り口付近や、ベッド周りに十分なスペースがないと、車椅子の回転や方向転換が困難になり、日常生活の動線が著しく制限されてしまう可能性があります。
将来を見据えたゆとりのある広さは、介護者の負担軽減にも繋がります。

既存の間取りを介護しやすいように変えるには?

ベッド周りの移動スペースを確保

介護が必要な方が最も長く過ごすことになるベッド周りは、安全かつ快適な移動を確保するために、入念なレイアウト検討が必要です。
まず、ベッドの配置についてですが、壁際に寄せるのか、部屋の中央に配置するのかによって、確保できる通路の幅や使い勝手が大きく変わります。
一般的には、ベッドの片側、あるいは両側に介助者が立ち、安全に体を支えたり、衣服を着脱させたりするための十分なスペースを確保することが重要です。
具体的には、ベッドサイドに最低でも60cm以上の通路幅があると、介助者が無理なく動きやすくなります。
また、ベッドの高さも移乗のしやすさに直結するため、ご本人の身長や介助者の負担を考慮して調整することが望ましいでしょう。
床材についても、滑りにくい素材を選んだり、必要であればマットなどを敷いたりすることで、転倒リスクを低減できます。

廊下やドアの開口部を広げる工夫

既存の間取りで介護のしやすさを向上させるためには、日常生活の主要な移動経路である廊下や、部屋と部屋をつなぐドアの開口部を広げる工夫が有効です。
車椅子がスムーズに通行するためには、一般的に最低でも60cm以上の幅が必要とされており、可能であればさらにゆとりを持たせることが望ましいです。
ドアについては、開き戸よりも引き戸の方が、開閉に必要なスペースが少なく、車椅子からでも開け閉めしやすいというメリットがあります。
もし開き戸しかない場合は、ドアの蝶番を交換して外開きにする、あるいはドア自体を引き戸に改修することを検討しましょう。
さらに、廊下や部屋の出入り口にある敷居の段差をなくすことや、壁に手すりを設置することは、歩行や移動の際の安全性を格段に高めることができます。

家具配置で安全な動線を確保

介護が必要なご家族が安全に、そしてスムーズに移動できる動線を確保するためには、部屋の家具配置が非常に重要になります。
ベッドからトイレ、洗面所、あるいはリビングへと移動する際の経路を明確にし、その動線上に障害となるような家具を置かないことが基本です。
特に、部屋の角に尖った家具があったり、床にコード類が露出していたりすると、つまずきや転倒の原因となりかねません。
家具を選ぶ際は、角が丸みを帯びたデザインのものを選ぶ、あるいは家具の配置を工夫して、動線上にデッドスペースを作らないように心がけましょう。
また、必要なもの(例えば、水や常備薬、リモコンなど)は、ご本人が無理なく手の届く範囲に配置することで、自立を促し、転倒リスクを伴う無理な動きを減らすことにも繋がります。

まとめ

介護が必要なご家族のための住まいづくりは、まず部屋選びの段階で、トイレへのアクセス、家族との繋がりを感じられる立地、そして将来的な介助スペースを考慮した広さを確保することが重要です。
さらに、既存の間取りを改善する際には、ベッド周りの十分な移動スペースの確保、廊下やドアの開口部を広げる工夫、そして家具配置による安全な動線の確保が、日々の生活の質を大きく左右します。
これらのポイントを押さえることで、ご本人もご家族も、より安心して穏やかな時間を過ごせる住環境を築くことができるでしょう。
大切なのは、ご家族一人ひとりの状況に合わせた、きめ細やかな配慮と工夫を継続していくことです。

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