日々の疲れを癒す温かいお風呂。
しかし、いざ追い焚きをしようとしても、ぬるいままだったり、全く温まらなかったりする状況に直面すると、その不便さから快適なバスタイムが台無しになってしまいます。
せっかくのくつろぎの時間が損なわれるだけでなく、原因が分からず不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、追い焚きができない場合に考えられる主な原因をいくつか挙げ、ご自身で試せる対処法から専門家への依頼が必要なケースまでを解説していきます。
風呂の追い焚きができない原因
給湯器本体の故障やエラー表示
追い焚き機能が使えない原因として、まず給湯器本体の不具合が考えられます。
長年の使用による経年劣化や、内部のセンサー、ポンプ、熱交換器といった重要部品の故障が、追い焚き機能の停止を招くことがあります。
給湯器のパネルにエラーコードが表示されている場合は、取扱説明書やメーカーのウェブサイトでそのコードの意味を確認することで、具体的な故障箇所や原因の特定に繋がる可能性があります。
例えば、水温センサーの異常や循環ポンプの動作不良などが考えられ、これらの部品が正常に機能しなければ、お湯を温め直す追い焚き機能は作動しません。
浴槽循環アダプター(フィルター)の詰まり
浴槽の循環アダプターは、浴槽内のお湯を給湯器へ循環させ、温め直してお湯を戻すという追い焚き機能の要となる部分です。
この循環アダプターの内部にはフィルターが備わっており、通常は髪の毛や石鹸カス、その他の汚れが付着するのを防ぐ役割を担っています。
しかし、このフィルターに汚れが蓄積し、目詰まりを起こしてしまうと、お湯がスムーズに給湯器へ流れなくなり、結果として追い焚きができなくなってしまうのです。
特に、ご家族が多い場合や、入浴前に体を十分に洗っていない場合などは、フィルターが汚れやすい傾向にあります。
給水・給湯系統のトラブル
追い焚きができない状況は、給湯器本体や循環アダプターだけでなく、給湯器に水を供給する給水系統や、温められたお湯を循環させる給湯系統に問題がある場合も考えられます。
例えば、給湯器への給水が何らかの理由で止まってしまっている、水道の元栓が閉まっている、あるいは断水しているといった外部要因が考えられます。
また、冬場など気温が極端に低い時期には、給湯配管が凍結してしまい、お湯の循環が妨げられるケースも少なくありません。
配管内に空気が混入している場合も、循環不良の原因となり得ます。

追い焚きできない時の対処法は?
浴槽フィルターの清掃手順
追い焚きができない原因として最も可能性が高く、かつご自身で比較的容易に対処できるのが、浴槽循環アダプターのフィルター詰まりです。
まず、安全のために給湯器の電源ブレーカーを落とすか、給湯器本体の電源プラグを抜いてください。
次に、浴槽の循環アダプターのカバーを開け、内部にあるフィルターを慎重に取り外します。
フィルターに付着した髪の毛やゴミなどを指やブラシで丁寧に取り除き、必要であれば中性洗剤などを使って水洗いし、十分にすすいでください。
清掃後は、フィルターを元の位置に確実に装着し、カバーを閉めます。
最後に、給湯器の電源を入れ直し、追い焚きができるか試してみてください。
給湯器のリセット方法
フィルターを清掃しても追い焚きができない場合、給湯器本体の一時的な不具合や、システムのエラーが原因である可能性も考えられます。
このような場合に試したいのが、給湯器のリセット操作です。
最も一般的なリセット方法は、給湯器につながっている専用の電源ブレーカーを一時的に落とし、数分待ってから再度ブレーカーを上げるというものです。
あるいは、給湯器本体の電源プラグをコンセントから抜いて数分待ってから差し直す方法もあります。
リセット操作によって、給湯器のシステムが初期化され、一時的なエラーが解消されることがあります。
ただし、リセット操作によって日時設定などの一部の設定が初期化される場合があるため、取扱説明書で手順を確認してから行うことをお勧めします。
業者に依頼する判断基準
上記のようなご自身での確認や対処法を試しても追い焚きができない場合、あるいは給湯器本体の故障が疑われる場合には、無理せず速やかに専門業者へ連絡することが賢明です。
具体的には、給湯器のエラーコードが消えない、または頻繁に表示される状態が続く場合、追い焚き時以外にも異音や異臭が発生している場合、給湯器本体が10年以上経過しており、老朽化が著しい場合などが、業者依頼を検討すべきサインと言えます。
専門業者であれば、正確な原因究明から安全かつ確実な修理・交換まで対応してもらえますので、安心して問題を解決できるでしょう。
まとめ
お風呂の追い焚きができないというトラブルは、給湯器本体の故障、浴槽循環アダプターのフィルター詰まり、給水・給湯系統の不具合など、複数の原因が考えられます。
まずは、ご自身で確認しやすい浴槽フィルターの清掃や、給湯器のリセット操作を試してみることで、問題が解決するケースも少なくありません。
しかし、これらの対処法を試しても改善が見られない場合や、給湯器本体の経年劣化、頻繁なエラー表示などが見られる際には、無理をせず信頼できる専門業者に相談することが、安全かつ確実な解決への近道となります。
適切な対処により、再び快適で温かいバスタイムを取り戻しましょう。