キッチンや浴室など、生活空間に欠かせない換気扇。
古くなった換気扇の交換や、より快適な環境を目指して新しいものへの買い替えを検討される際、最も重要となるのが適切なサイズ選びです。
しかし、一口に換気扇と言っても、その種類や測定箇所は様々であり、正確なサイズを把握せずに購入を進めると、取り付けられなかったり、期待した性能が得られなかったりといった失敗に繋がりかねません。
今回は、お使いの換気扇のサイズを正確に測定し、購入時の失敗を未然に防ぐための具体的な方法について、換気扇の種類別にご紹介します。
換気扇のサイズ測定方法
プロペラファンの羽根と取り付け枠のサイズ
壁に直接取り付けられるタイプのプロペラファンは、その構造上、羽根の直径と壁の取り付け枠(開口部)のサイズが選定の鍵となります。
羽根の直径を測定する際は、換気扇が停止していることを確認した上で、羽根の先端から真反対側の羽根の先端までを、ノギスやメジャーなどを用いて正確に計測してください。
取り付け枠のサイズについては、壁に設けられた換気扇本体が収まる開口部の内寸を、縦横それぞれ測定します。
多くの場合、換気扇本体の外側の縁(フランジ部分)がこの開口部を覆う形になりますが、交換する際には、既存の換気扇を取り外した後の壁の開口部寸法を実測することが最も確実です。
シロッコファンの本体寸法とダクト径
主にキッチンのレンジフードなどに採用されているシロッコファンは、ファン本体が箱型になっており、ダクトを通して排気を行う構造が特徴です。
このタイプの換気扇のサイズを測る際は、まず本体全体の幅、高さ、奥行きの寸法を把握する必要があります。
本体が壁や天井に埋め込まれている場合でも、目視できる範囲で最も外側の部分から計測してください。
次に重要なのが排気ダクトの接続部分の径です。
ダクトの接続部分の外径、あるいは内径をメジャーやテープなどで測定し、その数値を記録します。
配管のサイズは製品によって規格化されているため、このダクト径が適合するかどうかが、新しい換気扇を選定する上で非常に重要になります。
サイズ測定時の安全確認と注意点
換気扇のサイズを測定する際には、安全を最優先に行動することが不可欠です。
作業を開始する前に、必ず換気扇の電源をブレーカーから落とすなどして完全に遮断してください。
特に、換気扇本体に触れる場合や、高所にある換気扇を測定する際には、脚立などが安定した場所に設置されていることを確認し、無理な体勢での作業は避けましょう。
また、換気扇内部や測定箇所にホコリや油汚れが付着している場合は、作業の妨げになるだけでなく、怪我の原因にもなりかねないため、測定前に清掃用シートなどで拭き取っておくことを推奨します。
測定した数値は正確にメモを取り、可能であればスマートフォンのカメラなどで該当箇所と測定中の様子を写真に収めておくと、後で確認する際に役立ちます。

測ったサイズで換気扇選びを成功させるには?
既存サイズから適合する換気扇を特定
測定した羽根の直径、取り付け枠の開口寸法、本体の幅・高さ・奥行き、そしてダクト径といった数値は、新しい換気扇を選ぶための重要な指標となります。
製品の仕様表には、通常「適用開口寸法」や「本体寸法」、「ダクト接続径」といった項目でサイズが明記されています。
これらの記載されている数値を、ご自身で測定した寸法と比較し、適合するものを選び出します。
特に、プロペラファンでは取り付け枠の寸法が既存のものと合致することが必須条件であり、シロッコファンでは本体が設置スペースに収まり、かつダクト径が同じ規格であることが求められます。
メーカー型番で互換性のある製品
もし、現在お使いの換気扇のメーカー名と型番が判別できるのであれば、その情報を手がかりに互換性のある製品を探すのが最も効率的です。
換気扇本体の側面や前面、あるいは取扱説明書などに型番が記載されていることが多いです。
メーカーの公式サイトや、大手家電量販店、住宅設備機器専門のオンラインストアなどで型番を検索すると、後継機種や代替品の情報が見つかる場合があります。
古い製品で廃盤になっている場合でも、同じ設置スペースや配管に対応できる互換性のある製品が見つかる可能性が高いため、型番での検索は有効な手段と言えるでしょう。
サイズ違いによる失敗を防ぐための確認事項
換気扇選びで最も避けたいのが、購入したもののサイズが合わずに取り付けられなかったという事態です。
これを防ぐためには、購入手続きに進む前に、必ず製品の仕様書や商品説明に記載されている「取り付け可能寸法」や「必要開口寸法」といった項目を、ご自身で測定した寸法と照らし合わせて、齟齬がないかを最終確認してください。
特に、壁の開口部が換気扇本体よりもわずかに小さいだけで取り付けられなくなるケースや、ダクトの接続径が異なると接続工事が必要になるケースなどがあります。
万が一、サイズに関する疑問や不明な点が生じた場合は、購入前に必ず販売店やメーカーのサポートセンターに問い合わせ、確認してから購入を決定することが賢明です。
まとめ
換気扇選びにおいて、正確なサイズ測定は、後々のトラブルを防ぎ、最適な製品を導入するための第一歩です。
プロペラファンであれば羽根や取り付け枠の寸法、シロッコファンであれば本体の大きさやダクト径を、換気扇の種類に応じて丁寧に測ることが肝心となります。
測定した数値を基に、既存の設置スペースやダクトに適合する換気扇を特定し、メーカー型番や仕様を照らし合わせながら慎重に選定を進めましょう。
これらの確認を怠らなければ、サイズ違いによる失敗を避け、快適な換気環境を手に入れることができるはずです。